068◆遅れてきた人魚姫・あとがき

068◆遅れてきた人魚姫（１・２・３・４・５・６・７・８・９・10・11・12・13・14・15・16・17・18・19・20・21・22・23・24・25・26）

　同じような書き出しで「金の鍵」のあとがきを書いたのは三年前、一周年記念の時でした。二周年記念のアンケートでお尋ねしていた「今後読みたいお話」でサブキャラ一番人気だった「ベンの話」が今回の四周年記念でようやく書きあがりました！　アンケートにご回答くださった皆さま、拍手コメントでリクエストしてくださった皆さま、長らくお待たせしました！　この話が初めての方は、もし気に入って下さったらお時間のある時にでも一作目から読んで頂けると嬉しいです。

　今回は全部書き上げてからアップする自信がなくて、ぼんやりとストーリーの流れを考えていただけの状態で初連載にチャレンジしてみましたが、これだけの分量になると自分でも一気読みができなくて、話の起伏とか起承転結とかのバランスがどうなってるかすごく不安です。走っては休む自転車操業でしたが、なんとか一区切りつけられてよかったです。

　この二人についてはまた今後の話をエピソードごとに書いていくつもりです。本当はエリザベスとエリザベスの対面シーンとかも入れる予定だったんですが、入りきらなかったので番外編SSか何かで書けたらいいなー。

　もしかしたら今後も（連載しないと書きあげられないような長くなるネタがあったら）連載にチャレンジすることがあるかもしれませんが、基本は読切、これからもフライディ/チップとロビン/キャットの二人を中心に、周囲の人々のお話をぽつぽつ書いていく予定です。また読んで頂けたら嬉しいです。

ここから下は作中に登場したあれこれについての書ききれなかった部分を語ります。あとがきから先に読まれる方にはネタバレ注意です。

【３】で明らかになる今回のヒロインの名前。【２３】でやっと愛称ではなく本来の名前で呼ばれます。途中で気づいて下さった方もいらっしゃいますが、トリクシーはベアトリクスの愛称になります。ミスリードを誘おうと思ったら今回出てくる人出てくる人Ｂではじまる名前になりました（笑）

ベアトリクスはラテン語由来で元々は「旅人」という意味だったらしいのですが、ギリシャ語が混じって「祝福」「幸福」というような意味になったそうです。ベンのパートナーの名前としてはぴったりですね。

【４】から最後まで出てくる「しるしの箱」。寄せ木細工、というと箱根土産をご想像される方が多いかと思いますが、外国人の方はそんなに細かい細工はされません（笑）英語で画像検索した結果はこんな感じ（下記リンク）です。お好みのイメージをお選びください。

【１４】と【２３】でベンが「アイ・ノウ」を使うか「アイ・アム・アウェア」を使うかという話ですが、どうしてもイメージ的にベンには低音で「アイ・ノウ」言わせたかった！という勢いで書いたものの、本当は「アイ・アム・アウェア」の方が普通じゃなかろうか、ここはむりやりでもつじつまをあわせなくてはと思ってごちゃごちゃ書いてます。英語のフォーラムでその違いについてのトピックスが立ってたので、興味がおありの方はどうぞ。

【２０】に登場したジェットパックですが、一般的に背中にしょって飛ぶ飛行ガジェットをまとめてジェットパックと読んでいるようです。最大積載量及びシェル構造についてはマーティン・エアクラフト社の「マーティン・ジェットパック」をモデルにして書いています。実際の操作部分は創作なので頭を下にして飛べるかどうかは不明です。

【２４】で出てくる「潮見の塔」の階段。字だけで描写するのは難しいなーと思いつつなんとか書いてみましたが、百聞は一見に如かず、モデルとなったボローニャの階段はこんな感じです。潮見の塔はもっと吹き抜けの穴が大きくて、手すりの隙間が大きいイメージに補正して読んで下さい。

そして最終回、【２６】に出てくる「タニストリー」とは、ケルト文化圏にかつてあった王や族長の後継者を選ぶための制度の名前です。資料がそろわなかったのでひとことしか触れられませんでしたが、一代ごとの世襲じゃない後継者選びという設定には、こういう制度が必要かなーとちらっと書いてみました。

　……だいたいこんな感じですが、他にも字だけじゃイメージが湧かないというものがあったら聞いて頂けば元ネタ暴露いたしますのでお気軽にどうぞ！　それではまた。

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