ページの端◆スライム
以前「異類恋愛譚」第一話としてアップしていたものです
後ろの席の女がうざい。
遠隔通話の魔道具を手に、頭の悪そうな喋り方でだらだらと私生活を垂れ流している。
「テイマーの男ってすっごくいいの。スライムでね、うふふふ……はあん、また会えないかしら~」
バーを出た俺は魔道具屋で初級テイムの巻物を買った。
何故かバーで見た男が前に並んでいた。
よし。初級の呪文はマスターした。次はスライムの洞窟だ。
ところでスライムってどうやって使うんだろうなあ?
――スライムの麻痺毒に体の自由を奪われ全裸で発見された俺が「何も覚えていない」と頑なに言い張ると、医者は壁に向かって独り言を言った。
――スライムの粘液を媚薬に変えられるのは上級薬師をもっている最上級テイマーだけですよ……
治療院を出た俺は、魔道具屋に行って初級創薬と中級テイムの巻物を買った。
だって、それが男ってもんだろう?
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